毎年夏と年末、東京国際展示場(東京ビックサイト)の全ホールを使って開催されるコミックマーケット、通称「コミケ」。40年近い歴史を持ち、開催3日間で延べ50万人が来場するという、まさに世界最大の同人誌展示即売会です。
そのコミケ会場でたくさんのグッズを購入する方々にとって、なくてはならない存在なのが「ゆうパック引受所」。大切な荷物を「ゆうパック」で会場からそのまま自宅などに郵送できる、JP日本郵便 晴海支店様運営のコミケ特設ゆうパック窓口です。
81回目の開催となった2011年冬の「コミックマーケット81」。「ゆうパック引受所」を運営する日本郵便 晴海支店様では、オリジナルキャラクター「はるみさん」のデザインのまいガム「はるみガム」を作成、「ゆうパック」利用者の方々にノベルティとして配布されました。
今回のインタビューでは、JP日本郵便(郵便事業株式会社) 晴海支店 業務企画室の高木博康さんに、「なぜまいガムをノベルティに選んだのか」、「まいガムをデザインするに当たって、どんなことに気を配られたのか」などについて、コミケ開催の初日に会場にお邪魔して、お話を伺いました。
お話を伺ったJP日本郵便(郵便事業株式会社)晴海支店
業務企画室の高木博康さん(写真左)
写真右は企画の総責任者、業務企画室の長田修寛室長
「なるべく金額を掛けないで、話題を喚起させるようなものってなんだろう?」
─ まず「まいガム工房」を知ったきっかけを教えてください。
高木さん : まず部内でノベルティの戦略を立てているときに、いろいろなノベルティの選択肢がある中で、「お菓子はどうだろう?」という声が上がったんです。
「じゃあお菓子って何があるの?」と考えたときに、まずノベルティなので、あまり高額なものは作れません。そうなるとやはり「駄菓子系」だろう、と。そうして検討していった結果、「マルカワさんのガムがいいんじゃないか」という案が出てきたんです。
そうしてマルカワガムの案が出たときに、部内にたまたま、マルカワさんのフーセンガムがオリジナルで作れることを知っているものがいたんですよ。それで早速ホームページを確認して、「これくらいの金額ならいける!」、ということなりまして、今回制作させていただくことになりました。
─ 企画の初期段階で、なぜ「お菓子がいい」というお話になったのですか?
高木さん : ポストカードだったりシールだったり、通常考えられるようなものはこれまでにも当然作っていたんですが、「どうも話題性がないな」、と感じていました。
「じゃあ、なるべく金額を掛けないで、話題を喚起させるようなものってなんだろう?」と考えたときに、少なくとも貰ってもうれしくない、いらないものはダメだと思ったんです。捨てられてしまったらおしまいですからね。
万人受けするものようなものでなきゃいけませんから、だったらやっぱり食べるもの、ガムとかキャンディーとかだったら、とりあえず捨てずに食べるでしょう(笑)と。それでお菓子、金額的にもノベルティーに適した駄菓子にしよう、という方針が固まったわけです。
デザインの決め手はマルカワガムとの”コラボ感”!
高木さん : ただ、駄菓子なら何でもいいかというとそうではなくて、いくらオリジナルとはいえ、どこで作ってるのかわからないようなガムとかキャンディーだと、やはり食べ物ですし、受け取った方が不安に感じて、敬遠されてしまう可能性もあります。
その点マルカワさんのフーセンガムのように、誰もが見たことのあるものであれば、安心感を持って受け取ってもらえます。
ですので、まいガムのデザインについても、ウラ面はマルカワガムのオフィシャルなオレンジのデザインに”はるみの潮風だより”と文字の入った検索窓と検索ボタンの絵だけを加えたデザインにしました。
さらに、「はるみさん」のデザインの面についても、丸っきりオリジナルにするのはやめようと考えました。
「まいガムフルデザイン用テンプレート」をベースに使用して、ご入稿いただいたデザインデータ。
マルカワオフィシャルデザイン(オレンジ)の絵柄に、検索窓とボタンの絵を加えた。
「はるみさん」デザインの面のご入稿イラスト。
こちらでもマルカワブランドをフューチャーした。
高木さん : マルカワさんのブランドもうまく残しながらオリジナルのデザインにすることで、安全性の面もアピールできるようにしたかったんです。
─ マルカワガムのオレンジのデザインだけでなく、「はるみさん」のデザインの面にも、マルカワガムの絵が登場してますよね。
高木さん : そうなんですよ!あまりJPブランドを表に出すよりは”コラボ感”みたいなものを出した方が、受け入れられ易いだろうと。そう考えて作った結果、今回のデザインになったんです。
オリジナルキャラクター「はるみさん」を活かしたネットプロモーション戦略
─ 今回のガムはオリジナルキャラクター「はるみさん」をデザインした『はるみガム』ということでしたが、このキャラクターが誕生した経緯について教えてください。
高木さん : はい、基本的に僕らもこのコミックマーケットに「参加させていただいている」、という気持ちがありまして、「それなら何か自分たちにもキャラクターがあったら面白いんじゃない?」、というアイデアが出たんです。
それで、「誰か絵描ける人いない?」ということになりまして、社員のつてを伝って知り合ったイラストレーターの方にお願いして(ほとんどボランティアのような形で 笑)描いていただきました。そうしてこのJP晴海支店のオリジナルキャラクター「はるみさん」が誕生したんです。
オリジナルキャラクターの誕生に合わせて、「はるみの潮風だより 日本郵便 晴海支店」というTwitterアカウント(@ harumikyoubashi)と Facebookページ(http://www.facebook.com/harumikyoubashi)を開設しました。
そしてコミケ開催前から、「はるみさん」からみなさまに語りかける、という形で、「ゆうパック引受所」の営業やサービス内容についてや、今回の「はるみガム」や「はるみステッカー」といったグッズの入手方法・・・といった情報の提供を続けてきたんです。
Facebookページ「はるみの潮風だより 日本郵便 晴海支店」での情報提供
─ 「はるみガム」を受け取られた方の反応はいかがですか?
高木さん : 今はまだ初日がスタートしたばかり(取材日:2011年12月29日午前)ですので、まだお客さんの反応は見えていませんが、すでに引受所で「はるみガム」を受け取ってくださった方々には好意的に受け入れていただいているようです。今後、TwitterやFacebookなどネット上での反響もフォローしていきたいと思っています。
ゆうパック受付の伝票とともに「はるみガム」を手渡す。
手渡す方と受け取る方、どちらにも自然に笑みがこぼれる。
「できあがりを手に取った時は、とても感慨深いものがありました!」
─ できあがったまいガムをご覧になったときは、いかがでしたか?
高木さん : やっぱり事前に版でもらうものとでは嬉しさが違いますよね!みんなで手に取って「ホントにできちゃったな~(笑)」なんて言い合いながら、社内でバカ受けしてました!
できあがった「はるみガム」。デザインの完成度と”コラボ感”に注目!
高木さん : ポストカードやシールでも、できあがりを手に取った時は感動はするんですけど、この「はるみガム」のように、企業とタイアップのような形で、他社さんのブランドをフューチャーしたグッズを作ったのは初めてでしたので、「あー、できたよコレ~!(笑)」なんてセリフが思わず口をついて出てしまうような、とても感慨深いものがありましたね(笑)!
─ 最後に、まだ「まいガム」を作ったことがない方に向けて、ひと言お願いします!
高木さん : 今回、当然「社外に向けてのノベルティー」として作ったわけですけど、社外で配布する前に「社内」の方で本当にバカ受けしてしまって(笑)。なので、「マルカワガムが持っているブランド力はスゴイな!」、と改めて思いました。
あまり高額な費用をかけずに、受け取った方に喜んでいただける、話題にしてもらえるグッズを簡単に作れるのが「まいガム」の魅力だと思います。まだ作ったことがない方も、ぜひ我々のように楽しんでオリジナルガムを作ってみてほしいですね!
─ イベント当日でご多用の中、ありがとうございました!
取材日:2011年12月29日
東京ビックサイト「コミックマーケット81」会場「ゆうパック引受所」にて